読書と作文が好きだった中学時代、科学ノンフィクションが描き出す世界に惚れてしまい、進路を決めた。大学では化学を専攻し、大学院でタンパク質センサーの研究をする一方で、小規模メディアに科学的方法論や科学者社会の色んな面を取り扱ったエッセイやコラムを寄稿した。しかし、小説だけは到底書けないと思っていた最中、偶然読み始めた作法書に勇気つけられ、試験勉強をするように小説を書き始めた。

2017年には「館内紛失（관내분실）」と「わたしたちが光の速さで進めないなら（우리가 빛의 속도로 갈 수 없다면）」で、第2回韓国科学文学賞中短編部門大賞と佳作を受賞。受賞作は、叙情的でありながら世界と人生への理解と悩みをよく表わしたSFだと評された。ほかにもウェブマガジン『クロスロード（크로스로드）』と『科学の裏側（과학뒤켠）』などの紙面に、作品を掲載している。

記憶と感情、心、関係といったいわゆる非物質的だと思われる概念を、物質的な概念に変換して眺めることが好き。抽象的な生の属性を具体的な科学の言葉で捕らえることで、また新しい質問を掘り出す文章を書きたいと思っている。

著者：キム・チョヨプ | 編著：ぺ・ミョンフン | 翻訳：キム・ミョンウン（日本語版）

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