字を覚えてすぐ、物語を書いて人に読ませる喜びを知った。しかし、周りに影響を与えてくれる芸術家や創作者がいなかったため、早期に作家の道を進むことはできなかった。大学に進学してからは国際政治学を専攻し、大学院では第1次世界大戦を研究した。そのため、自然に世界に関する物語を作るようになり、それらの作品がSF関係者の目に最初に留まり、2005年第2回科学技術創作文芸短編部門に当選し、デビューした。

2009年、初の単行本『タワー（타워）』の出版で、主流文学界にまで読者を広めた結果、2010年には、第1回文学ドンネ若い作家賞を受賞。『初息（첫숨）』『考古心霊学者（고고심령학자）』『クルクル宇宙軍（빙글빙글 우주군）』など、長編小説をはじめ10冊余りの科学小説の単行本を出版しており、短編集としては『芸術と重力加速度（예술과 중력가속도）』が代表作である。『タワー』は、2021年イギリスで翻訳出版された。

社会科学、特に政治学と権力の目線から世界を眺める小説を多数執筆し、2020年からは韓国外交部の依頼を受け、火星に人間が定住してから繰り広げられる惑星規模のガバナンスシステムに関する研究を行った。地球と宇宙空間にある人口50万人規模の都市の物語を書き続けており、その中でも、韓国人の平凡な暮らしがするりとSFへ切り替わる物語を書くことが、最も楽しい。

著編著：ぺ・ミョンフン | 翻訳：キム・ミョンウン（日本語版）

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